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週刊映画レビュー スカンク&ヒューゴのMOVIE×MOVIE


Weekly ぴあで3年にわたり連載され
常に読者アンケート上位にランクインしていた
人気映画レビューがVOICE WAVEにお引っ越し。
スカンク、ヒューゴ、編集者のコワダの新作映画対談を
テキストコンテンツでお楽しみください。
これを読めば、必ず映画館に行きたくなります。


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◆SKUNK and HUGO GO TO MOVIES!SEASON2 アーカイブ
最新の1作品をアーカイブ!

#255:フォース・カインド


#256『ジュリー&ジュリア』を観てきたよ

週刊映画レビュー SKUNK and HUGO GO TO MOVIES! by ネットラジオ & ネットマガジン VOICE WAVE

タイトル:ジュリー&ジュリア
監督・脚本:ノーラ・エフロン
キャスト:メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ、クリス・メッシーナほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間:123分
12月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
くわしい劇場情報は公式サイトまで
http://julie-julia.jp



物語&解説

週刊映画レビュー SKUNK and HUGO GO TO MOVIES! by ネットラジオ & ネットマガジン VOICE WAVE
1949年、フランス。 やけにかん高い声と、185cmの長身。ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は、一度会ったら忘れられない女性だった。その経歴もユニークだ。おカタイ政府機関で仕事一筋だったジュリアは、40歳近くまで独身。ところが突然、同じ職場の外交官のポール(スタンリー・トゥッチ)と初めての恋に落ちて、電撃結婚。ポールの転勤に伴い、パリにやって来た。 もともと好奇心旺盛で食べることが大好きなジュリアだったが、パリでは料理が芸術であることに感銘を受け、料理学校ル・コルドン・ブルーの、それもプロ養成クラスに通うことを決意する。めきめき料理の腕をあげていったジュリアは、料理本を執筆中だと言う友人たちと意気投合、この出版プロジェクトに加わることになる。ポールのパリでの任期が終了、マルセイユ、ドイツなど、世界各地を転々としながら、ジュリアは執筆を続けた。 8年後、ジュリアの大作が、とうとう完成する──。 それから、50年後のニューヨーク。 29歳のジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は冴えない気分でいっぱいだった。友人たちはそれぞれ仕事での成功を収めているのに、彼女は小説家になる夢を断念、公共機関に勤め、9.11事件の事後処理に追われている。おまけに住まいはガタガタ揺れるピザ屋の2階。 今のままではだめだ。人生を変えなければ──そう思い始めたジュリーは、まだ幼い頃からずっと憧れていた、ジュリア・チャイルドの料理本に載っている全524のレシピを1年間365日で作り、自分のブログにアップしていくことを思いつく。47日間で65のレシピ再現に成功した頃には、徐々にブログへの書き込みが届くようになる。夫の声援やブログ読者の多くの声を励みに、ジュリーは試行錯誤を繰り返し悪戦苦闘しながらも次々とレシピをこなしていく。 そんな中、有名な料理本編集者との約束をドタキャンされたことにショックを受け、完全にヘコむジュリーだが、レシピ本を通してジュリアが教えてくれた料理の真髄に気付き、最後のラストスパートをかける。── 50年前のジュリアのレシピが、ジュリーの人生を変えようとしていた──。


#256『ジュリー&ジュリア』を観てきたよ

SKUNK&HUGO GO TO MOVIES !
produced by JUN MORIUCHI(STUDIO M.O.G.)&
MAI NAKAHIRA(STUDIO M.O.G.




コワダ

今週は『ジュリー&ジュリア』を
観に行ったんですが、
面白い作品でしたね。


スカンク

1961年にフランス料理のレシピを
アメリカに紹介した
ジュリア・チャイルドの物語と
そのレシピを、50年後のニューヨークで
ジュリーが再現していくっていう話なんだよな。


ヒューゴ

その模様をジュリーは
ブログに実況中継して、
だんだん話題になって、
最後には出版されて
念願の作家になってめでたし、めでたし。


コワダ

なんでオチまで言うんですか。
思いっきりネタバレしてるじゃないですか。


スカンク

だけど、ジュリーの
シンデレラ・ストーリーじゃないから
いいんじゃないの?
しかも事実に基づいた話だから
ジュリーが作家になったの
みんな、知ってるし。


ヒューゴ

この映画は
あくまで料理に対する
情熱を楽しむ作品だからね。
サクセス・ストーリーは
二の次だよね。


スカンク

というか、今どき、
ブログで作家になりました
なんてサクセス・ストーリーで
喜ぶような奴はいないって。
80年代じゃないんだからさ。


ヒューゴ

たしかに。


スカンク

コワダ、ちゃんと映画、
観てたのかよ。
寝てたんじゃないのか?


コワダ

観てましたよ。
人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。


ヒューゴ

面白かったのが、
実はジュリーのブログは
今でも実際に読めるんだよね。
そこが何か凄いね。
試写を見せてもらったあと、
即、アクセスしたら、あったんだよね。
この臨場感は
インターネット時代ならではだよね。


スカンク

実はオレも即、
アクセスしたんだよね。
これがさ、写真もイラストも
ないんだよな。文字ばっかりでさ。
ちょっと前のブログだから。
ところがこれが斬新でさ。


ヒューゴ

普通、料理関係のブログって
写真や絵が重要なのにね。


スカンク

文字だけで
読者は、想像力を
掻き立てられたってことだよな。
ブログの常識を打ち破っているようで
目から鱗が落ちたよ。
今だからこそ、逆に、
こういうブログも有効だなって。


コワダ

だけど、今どき
文字だけのブログって
誰も読まないんじゃないですか。


ヒューゴ

もしかしたら
オレたちが勝手に
そう思い込んでいるだけかもね。
ブログって
これでいいのかもしれないよね。


スカンク

ブログのデザインも
いたってシンプルなんだよな。
そこに情熱があれば、
文字だけでも伝わるんだよ。
な、コワダ。


コワダ

は、はあ。


ヒューゴ

この映画のテーマもそこだからね。
ジュリーとジュリア
それぞれの料理に対する
情熱の高さだよね。
それは、最終的に
たくさんの人を動かしたわけでね。


スカンク

上辺の演出を
どうするかっていうことも
大事だけど、
まず根幹になるべき
情熱が問われるよな。


コワダ

ジュリアも
フランス料理を
アメリカの家庭で
味わってもらいたいという、
ただそれだけの思いで
レシピ集を完成させましたからね。


ヒューゴ

こういうものが
売れそうだから
こういう本を作るって
いうんじゃなくてね。
フランス料理を紹介したいから
レシピ集を作るんだっていう、
いたってシンプルなんだよね、
動機がね。


スカンク

そうそう。
もうそういうものじゃないと
大衆は動かされないのかもね。
あまりにもこうやったら売れる的なものが
氾濫しちゃったからね。
かえって、作り手の情熱を
見たり感じたりしようとする
モードになってきたような気がするね。
受け手側もね。


ヒューゴ

この映画はそれを予見してる?


コワダ

映画はいろんな世の中の事象を
先取りしますからね。


スカンク

カーペットの色を
何色にするかってことまで
新興宗教の教祖様に
聞いているような世の中がさ、
いつまでも続くわけないじゃん。


ヒューゴ

むふふふふふ。


スカンク

赤いカーペットが好きなら
赤を敷けよ、みたいなさ。
風水とか占いとか
どうだっていいじゃん。
売れそうな企画を発案する
セミナーをやってる
馬鹿な出版社とかさ、
もうそういうのは見捨てようぜ。


ヒューゴ

ジュリアの本の編集者は
レシピ通りに料理を作ってみて、
それが抜群に美味しかったから、
出版を決めたんだよね。


スカンク

それでいいんだよ。
そういうものの方が長く売れるんだよ。
だからジュリーの本が売れたのも
人気ブログという部分を
大衆が共有したんじゃなくて、
ジュリーのジュリアのレシピに対する情熱に
大衆が共鳴した結果なんだよね。
人気タレントの人気ブログの本なんか
寿命は半年だからね。
ケータイ小説とかもそうだけどさ。


ヒューゴ

そこを見誤っている連中って
多いよね。


スカンク

この映画も
ジュリーのサクセス・ストーリーに
フォーカスしようと思えば
できたと思うんだよ。


コワダ

テレビ欄とかに
書いてありそうですよね。


ヒューゴ

やりそうだよね、日本のドラマとか。
人気ブログで作家になった女性の
サクセス・ストーリー、みたいな。


スカンク

そんなことしたら
とてもつまらないものになるって
映画会社もわかっていたと思う。
そこでジュリーの奮闘と
ジュリアのレシピ作りへの紆余曲折を
シンクロさせて描いたんだよね。


コワダ

ただ、ちょっと悲しかったのが
ジュリーのブログに
ジュリアはいい顔を
しなかったらしいってことですよね。


ヒューゴ

それはどうでもいいことなんじゃない?


スカンク

ジュリーの情熱と
シンクロしていたのはさ、
50年代のジュリアだからね。


ヒューゴ

現代のジュリアなんてどうでもいい。
作品は作家とは違う人格を持って
一人歩きしているわけだから
現在のジュリアは関係ない。


スカンク

そういうこと。
ジュリアにとって、
実はそれは
とても幸福なことなんだよね。
望んでいようがいまいが、
それは表現者にとっては
幸福なことなんだよ。


ヒューゴ

もしもジュリアが
ジュリーに対して
自分の名前とレシピを使って
有名になりやがって、
なんて考えていたとしたら
大間違いだよね。


スカンク

そういう風には
思わなかったと思うけどね。


コワダ

そうですかね。
ボクだったら
そう思うかもしれませんよ。


ヒューゴ

コワダなら思うだろうね。


スカンク

たしかに。


コワダ

何か嫌な気分になったのは
どうしてなんだろう。


ヒューゴ

むふふふふふ。



コワダ

Weekly ぴあ、VOICE WAVEと
連載をつづけてきた
『SKUNK and HUGO GO TO MOVIES!』は
2010年より
Scrap Web Magazineに引っ越します。
アートをはじめ
若手のクリエイターが集結したサイトです。
アドレスは
http://studiomog.ne.jp/scrap
今後とも『SKUNK and HUGO GO TO MOVIES!』を
よろしくお願いいたします。


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