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コワダ |
今週は『ジュリー&ジュリア』を 観に行ったんですが、 面白い作品でしたね。 |
スカンク |
1961年にフランス料理のレシピを アメリカに紹介した ジュリア・チャイルドの物語と そのレシピを、50年後のニューヨークで ジュリーが再現していくっていう話なんだよな。 |
ヒューゴ |
その模様をジュリーは ブログに実況中継して、 だんだん話題になって、 最後には出版されて 念願の作家になってめでたし、めでたし。 |
コワダ |
なんでオチまで言うんですか。 思いっきりネタバレしてるじゃないですか。 |
スカンク |
だけど、ジュリーの シンデレラ・ストーリーじゃないから いいんじゃないの? しかも事実に基づいた話だから ジュリーが作家になったの みんな、知ってるし。 |
ヒューゴ |
この映画は あくまで料理に対する 情熱を楽しむ作品だからね。 サクセス・ストーリーは 二の次だよね。 |
スカンク |
というか、今どき、 ブログで作家になりました なんてサクセス・ストーリーで 喜ぶような奴はいないって。 80年代じゃないんだからさ。 |
ヒューゴ |
たしかに。 |
スカンク |
コワダ、ちゃんと映画、 観てたのかよ。 寝てたんじゃないのか? |
コワダ |
観てましたよ。 人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。 |
ヒューゴ |
面白かったのが、 実はジュリーのブログは 今でも実際に読めるんだよね。 そこが何か凄いね。 試写を見せてもらったあと、 即、アクセスしたら、あったんだよね。 この臨場感は インターネット時代ならではだよね。 |
スカンク |
実はオレも即、 アクセスしたんだよね。 これがさ、写真もイラストも ないんだよな。文字ばっかりでさ。 ちょっと前のブログだから。 ところがこれが斬新でさ。 |
ヒューゴ |
普通、料理関係のブログって 写真や絵が重要なのにね。 |
スカンク |
文字だけで 読者は、想像力を 掻き立てられたってことだよな。 ブログの常識を打ち破っているようで 目から鱗が落ちたよ。 今だからこそ、逆に、 こういうブログも有効だなって。 |
コワダ |
だけど、今どき 文字だけのブログって 誰も読まないんじゃないですか。 |
ヒューゴ |
もしかしたら オレたちが勝手に そう思い込んでいるだけかもね。 ブログって これでいいのかもしれないよね。 |
スカンク |
ブログのデザインも いたってシンプルなんだよな。 そこに情熱があれば、 文字だけでも伝わるんだよ。 な、コワダ。 |
コワダ |
は、はあ。 |
ヒューゴ |
この映画のテーマもそこだからね。 ジュリーとジュリア それぞれの料理に対する 情熱の高さだよね。 それは、最終的に たくさんの人を動かしたわけでね。 |
スカンク |
上辺の演出を どうするかっていうことも 大事だけど、 まず根幹になるべき 情熱が問われるよな。 |
コワダ |
ジュリアも フランス料理を アメリカの家庭で 味わってもらいたいという、 ただそれだけの思いで レシピ集を完成させましたからね。 |
ヒューゴ |
こういうものが 売れそうだから こういう本を作るって いうんじゃなくてね。 フランス料理を紹介したいから レシピ集を作るんだっていう、 いたってシンプルなんだよね、 動機がね。 |
スカンク |
そうそう。 もうそういうものじゃないと 大衆は動かされないのかもね。 あまりにもこうやったら売れる的なものが 氾濫しちゃったからね。 かえって、作り手の情熱を 見たり感じたりしようとする モードになってきたような気がするね。 受け手側もね。 |
ヒューゴ |
この映画はそれを予見してる? |
コワダ |
映画はいろんな世の中の事象を 先取りしますからね。 |
スカンク |
カーペットの色を 何色にするかってことまで 新興宗教の教祖様に 聞いているような世の中がさ、 いつまでも続くわけないじゃん。 |
ヒューゴ |
むふふふふふ。 |
スカンク |
赤いカーペットが好きなら 赤を敷けよ、みたいなさ。 風水とか占いとか どうだっていいじゃん。 売れそうな企画を発案する セミナーをやってる 馬鹿な出版社とかさ、 もうそういうのは見捨てようぜ。 |
ヒューゴ |
ジュリアの本の編集者は レシピ通りに料理を作ってみて、 それが抜群に美味しかったから、 出版を決めたんだよね。 |
スカンク |
それでいいんだよ。 そういうものの方が長く売れるんだよ。 だからジュリーの本が売れたのも 人気ブログという部分を 大衆が共有したんじゃなくて、 ジュリーのジュリアのレシピに対する情熱に 大衆が共鳴した結果なんだよね。 人気タレントの人気ブログの本なんか 寿命は半年だからね。 ケータイ小説とかもそうだけどさ。 |
ヒューゴ |
そこを見誤っている連中って 多いよね。 |
スカンク |
この映画も ジュリーのサクセス・ストーリーに フォーカスしようと思えば できたと思うんだよ。 |
コワダ |
テレビ欄とかに 書いてありそうですよね。 |
ヒューゴ |
やりそうだよね、日本のドラマとか。 人気ブログで作家になった女性の サクセス・ストーリー、みたいな。 |
スカンク |
そんなことしたら とてもつまらないものになるって 映画会社もわかっていたと思う。 そこでジュリーの奮闘と ジュリアのレシピ作りへの紆余曲折を シンクロさせて描いたんだよね。 |
コワダ |
ただ、ちょっと悲しかったのが ジュリーのブログに ジュリアはいい顔を しなかったらしいってことですよね。 |
ヒューゴ |
それはどうでもいいことなんじゃない? |
スカンク |
ジュリーの情熱と シンクロしていたのはさ、 50年代のジュリアだからね。 |
ヒューゴ |
現代のジュリアなんてどうでもいい。 作品は作家とは違う人格を持って 一人歩きしているわけだから 現在のジュリアは関係ない。 |
スカンク |
そういうこと。 ジュリアにとって、 実はそれは とても幸福なことなんだよね。 望んでいようがいまいが、 それは表現者にとっては 幸福なことなんだよ。 |
ヒューゴ |
もしもジュリアが ジュリーに対して 自分の名前とレシピを使って 有名になりやがって、 なんて考えていたとしたら 大間違いだよね。 |
スカンク |
そういう風には 思わなかったと思うけどね。 |
コワダ |
そうですかね。 ボクだったら そう思うかもしれませんよ。 |
ヒューゴ |
コワダなら思うだろうね。 |
スカンク |
たしかに。 |
コワダ |
何か嫌な気分になったのは どうしてなんだろう。 |
ヒューゴ |
むふふふふふ。 |
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コワダ |
Weekly ぴあ、VOICE WAVEと 連載をつづけてきた 『SKUNK and HUGO GO TO MOVIES!』は 2010年より Scrap Web Magazineに引っ越します。 アートをはじめ 若手のクリエイターが集結したサイトです。 アドレスは http://studiomog.ne.jp/scrap 今後とも『SKUNK and HUGO GO TO MOVIES!』を よろしくお願いいたします。 |